POW、POS、POI、POBとは?その違いは?

pow-pos-poi知識・用語集
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仮想通貨について調べていると、POW、POS、POIなどの英語がよく見られます。

これらを「分散合意形成アルゴリズム(コンセンサスアルゴリズム)」と呼ばれています。

何のこっちゃという話だったので、これらについて調べてみました。

 

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分散合意形成アルゴリズム(コンセンサスアルゴリズム)って何?

分散合意形成アルゴリズムは、コンセンサスアルゴリズムとも呼ばれています。

 

・・・難しいと言葉ですね。

正直な所、この言葉は覚えなくて良いですw

 

わかりやすい言い方で書くと「みんなで確認できるネットの技術」です。

 

仮想通貨の分散合意形成アルゴリズムは誰か特定の人だけではなく、みんなで確認できるので信頼性があるわけです。

 

分散合意形成(コンセンサス)アルゴリズムの主な種類

主な分散合意形成アルゴリズムの主な種類を書いていきます。

まずは主なものである「PoW」、「PoS」、「PoI」について記載します。

 

結論から3つのポイントを述べるとこうなります。

PoW・・・働いた分だけ恩恵が受けられる。
PoS・・・持てば持つほど恩恵を受けられる。
PoI・・・多くを持っていて、活動に貢献するほど恩恵が受けられる。

 

POWとは?

「仕事量の証明」という意味で「Proof of Work」の略称です。

 

どういうことでしょうか?

 

例え話で説明するとこうなります。

現代社会、働いても働いても給料が上がらないことも多いのですが、このPoWの仕組みは働いた分だけ恩恵を受けられるという仕組みです。

 

その名前のように「Work(仕事量)が多ければ多いほど、恩恵が受けられる仕組み」です。

 

POSとは?

「保有による証明」という意味で「Proof of Stake」の略称です。

直訳すると「保有による証明」でしょうか。

 

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マイニングが大量の電気を使い、51%攻撃などの問題があるPoWのかわりの案として考案された方式がPoSと呼ばれています。

 

サニー・キングという人が考え出しました。

 

これはマイナーのcoin ageという係数(通貨の保有額と保有期間で算出されるポイント)により算出されるだけの報酬が支払われる仕組みとなっております。

これはPoWのマイニングに相当する用語としてフォージング(鋳造)と呼ばれています。

 

PoWのように計算早いもの勝ちで報酬を得る必要がないため、低性能のパソコンでもフォージングが出来るため、Powに比べて環境(地球)に優しい方式であると言えます。

 

悪意のある者が攻撃をする場合は、流通している通貨の過半数を所有し、長期間保有年数を有する必要があるため、現実的には不可能です。

 

ビットコインのPOW方式の欠点を補ったものがPOSです。

 

専門的な用語で書くとこうなります。

しかし、何のことかさっぱりわかりませんので忘れてよいです。

 

PoSはざっくりと以下のように覚えてください。

 

「PoSは持っていれば持っているほど恩恵を受けられる仕組み」です。

 

株などが良い例です。

株をたくさん持っているほど配当がもらえます。

これと同じで、その仮想通貨を持っていればいるほど、ご褒美として新しい仮想通貨をもらうことができます。

 

POIとは?

「重要性の証明」という意味で「Proof of Importance」の略称です。

 

PoSのようにただ大量にその仮想通貨を持っているだけでは恩恵が受けられません。

取引量、取引回数などからたくさん利用している人が恩恵を受けられる仕組みです。

つまり、「その通貨のネットワーク内での重要度が高い人が優先してその通貨を得られるという仕組み」がPoIです。

 

POSは所有するだけで増えますが、それゆえに貯めこんで流動性が生まれないという欠点がありました。

それを補ったものがPOIとなります。

 

主な仮想通貨

POW、POS、POI方式の主な仮想通貨を記載します。

 

POW

ビットコイン(BTC)、モネロ(Monero)、ジーキャッシュ(Zcash)

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POS

リスク(Lisk)、ネクストコイン(Nxt)

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POI

ネム(NEM)

 

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仮想通貨流出事件で一躍有名になったNEMは、PoIの仕組みが採用されています。

 

 

利点

PoW、PoS、PoIの各方式の主な利点を記載します

 

POW

マイニングの仕事量の分はきっちりと恩恵をうけられます

人間社会では、残業手当がつかない仕事もありますが、POWでは、きっちりと報酬が支払われます。

ただ、POW方式、例えばビットコインなどは計算問題を1番早く解いた人のみが報酬が得られます。

 

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仕事量=計算問題を1番最初に解いた数となります。

マイニング形式のPOWは仮想通貨の作成に大量の電気代がかかります。

 

特にビットコインはそれが顕著です。

つまり、仮想通貨をつくるためにお金をかけています。

従って、価値を持ちやすい点があります。

 

一般人が気軽にマイニングできないからこそ、ビットコインが価値を持っているともいえます。

 

POS

マイニングに成功する確率が、仮想通貨を持っているによって決まる仕組みです。

保有しているコインであれば、仮想通貨のシステムに何かを仕掛けることもありません。

 

ゆえにPOW方式とは違い、攻撃を防ぐことができ、安全を確保できます。

51%アタックの可能性は少ない通貨です。

 

また持っているだけで増えていく仕組みであれば、その通貨が浸透すれば不労所得を得ていることになり、現状、銀行に預けても資産はそれほど増えないことから人気が上昇しやすい傾向にあります。

 

また、処理速度が速いことでも有名です。

現段階でもだいたい数秒~1分以内と言われています。

 

POSはPOWの問題点を克服した方式になっています。

 

POI

POWは高いマイニング機械を持っている、POSはその通貨を大量に持っている人が有利になります。

 

つまり、どちらもお金が必要になり、結局は金持ちが有利になると言うことで、POI方式が生まれました。

 

POI方式の代表格であるNEMは時価総額2000億(2017年9月時)になりましたが、僕らの普通のPCでもNEMを増やすことができます。

これはハーベスティング(収穫)と呼ばれています。大量に増やすことはできませんが、規模が大きくなっても普通のPCでもその仮想通貨を生み出せる利点があります。

また、電気代もほとんどかかりません

 

POSとの違いは持ってるだけでは、増やすことができません。

例えば、仮想通貨のネム(NEM)の場合、NEMを増やすには所持しているNEMを使う必要があります。

 

持っているだけではなく、使うことでその通貨のネットワーク内での重要度があがり、新しいNEMを得ることができます。

 

これは、その通貨を使うことで、貯めこんで通貨の流動性が落ちることを防ぐためだといわれています。出来高が低い仮想通貨が落ちるように、流動性が低い通貨は価値を落とす傾向が高いです。

 

欠点

各方式の主な欠点を記載します。

 

POW

電気代が非常に高くなる恐れがあります。

計算問題を1番速く解いた人にだけ報酬が与えられる仕組みなので、ビットコインのように所持者が増え、価値があがると、ライバルが増えます。

そして、計算が難しくなり、競争に勝つために高性能のPCを揃える必要があります。

現状、ビットコインのマイニングで一般人が1人で気楽に採掘できるものではありません。

電気代がかかり、環境問題にも影響を及ぼしています。

 

ETHもPOWからPOSになる予定です。

 

また、ビットコインは2140年には全て採掘されてしまう、つまり、新しいビットコインは生まれなくなります。

そして、それ以後は、手数料だけしか手にできなくなります。

手にできる報酬が少なくなれば、多くのマイナーさんが撤退する可能性があります。

すると、承認する人を集めるために、計算を解く難易度低下しますので、将来的に外部からの攻撃に弱くなる可能性があります。

そして、仮に特定の個人もしくはグループが51%以上を支配すると、不正取引が可能となる「51%アタック」という致命的な欠陥を生み出す可能性もゼロではありません。

 

更にその通貨で大きな力を持つマイナーは、政治的な権力も持ちやすい欠点があります。

実際、少し前のビットコイン分裂騒動で一部のマイナーグループが出てきて、彼らの発言で価格変動があったことからも影響力の大きさがわかります。

 

他には承認に時間がかかるのが欠点ですね。

現状、ビットコインは承認に約10分かかります。

 

 

POS

持っている人が多いほど有利な通貨になりますので、持たざるものとの差、つまり、貧富の差がでてしまうという点が指摘されています。

また貯めこむことで、その通貨の流動性が落ちます

 

POI

POIも結局、POS同様に富める者が富む仕組みです。

 

例えば、NEMですと、普通のPCでハーベスティング(収穫)はできるものの、増やすためには10000NEMが必要になります。

10000NEMですと、現在の価格で22万ほどかかります。

更に価値が上がれば上がるほど10000NEMという参加の敷居は上がります。

 

これで将来的に誰もが収穫をできるのでしょうか?

 

また、PCも複数用意すればいいので、結局は資金力がある人が有利になります。

 

他の分散合意形成アルゴリズム

他の分散合意形成アルゴリズムの例としてPoB等について記載します。

 

POB

「燃やすことによる証明」という意味で「Proof of Burn」の略称です。

それはまるで通貨を燃やすということで、こう呼ばれています。

特定のアドレスに送るという作業をすることで、承認の権利を受け取ることが可能となる仕組みです。

 

カウンターパーティ(XCP)とは?用途事例、価格、おすすめ取引所について
かにたまです。 星の数ほどある仮想通貨から日本の国内の金融庁認可の取引所にある取引所の仮想通貨、つまり、日本で認められている仮想通貨の1つである「カウンターパーティ(XCP)」に関して記事にしたいと思います。 カウンターパーティ(XCP...

その代表例として「カウンターパーティ」という仮想通貨があります。

ビットコインのブロックチェーン上に構成されたプラットホームのうちの一つです。

ビットコインのブロックチェーンを間借りするイメージでしょうか。

この「カウンターパーティ」でPOBが使われています。

 

例を上げると、カウンターパーティのXCPが初期発行されるとき、ビットコインを出し合ってその金額に応じて平等に分配がなされます。

このXCPの発行は、支払ったビットコインに応じて分配され、供給量がこれ以上増えることはありません。

そして、そのXCPを燃やして、新しい独自通貨を作成・発行することができます。

「なんのこっちゃ」ということですが、独自通貨を作成・発行するために資産を燃やす必要があるということで、富める者がさらに富むという仕組みを軽減しています。

POS、POI式などは元金が減る(Burn)ことはありませんからね。

 

その他

Paxos、DLS、PBFT、RAFTなど。

RAFTは日本語スライドがありました。

パッとみて理解できないくらい難しいです。

 

各方式について思うこと

※ここから雑談も入っています。

主な「分散合意形成アルゴリズム」について改めて調べて見ると、どれも長所もあれば、短所もありました。

 

ただ、僕は今のビットコインのPOW方式よりは、POSやPOIの方が良いなと思いました。

POWの、例えば、現在のETHの小国1国分もかかる電力は問題ですし、規模が大きくなると個人ではマイニングもまともにできない、大きなマイナーは権力を持つ等は問題です。

そして、何より51%アタックの危機感、つまり通貨の安全性に不安があるのはどうなのかなと思います。

 

今年にかけて、なぜ仮想通貨が日本で1番盛んになっているのかを考えて見ますと、理念云々より、高い投機性と、仮想通貨を持っているだけで資産(日本円)が増えていったこともあります。

今の銀行に預けても全く増えませんので、その利益で更に新しい仮想通貨を購入し、どんどん加熱して世界一の出来高になりました。

 

どの方式も富める者は富む仕組みではあるのですが、持っているだけで増えていくというPOS方式はあまりにも楽すぎます。

ビットコイン等は持っているだけで価格は上がる可能性がありますが、枚数は全く増えません。POS式は枚数は確実に増え、加えて価値もあがるかもしれませんからね。

 

ゆうちょ定期貯金の金利の推移
画像:http://blog.livedoor.jp/aokichanyon444/archives/55234664.html

ふと、どうして僕たちが当たり前のように銀行にお金を預けるようになったのか?「何でだろう?」と歴史を調べてみますと、銀行がオープンした当初は預けるだけで高い金利で資産が増えていったようです。

上の画像は1980年代のゆうちょ銀行の利回りです。

当時はたった1年の年利でも利回りが7%以上もありました。

 

これなら国民全体に浸透するわけですね。

しかし今は・・・

 

仮想通貨全体が価値をあげれば、その通貨も価値をあげやすく、POS式であれば所持してるだけで枚数も増えます。

通貨の価値が上がらなくなっても枚数は増えますので、不労所得を得ることになり、個人的には、今後は仮想通貨界隈でPOS方式が流行りそうな予感がしています。

※ あくまでも個人的な意見です。

 

またPOWによる電気代の大量消費による環境問題も問題視され、イーサリアム(ETH)がPOWからPOSに移行するという情報もあります。

 

仮想通貨はまだ時価総額も低く、大きな値動きがあり安定性がないので、担保性があれば更に良いのですが、そういった通貨は今後増えていくと思います。

ただし、そのような通貨には、より怪しい通貨が多いのでご注意ください。

 

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