日本で知られている匿名仮想通貨にはZcash、Monero、Dashなどがありますが、それぞれ匿名通貨といっても仕組みは違います。
そこで、本日は簡潔にMoneroの匿名性の仕組み「リング書名」についてのわかりやすい説明記事を書いてみたいと思います。
良かったらご覧下さい。
※この記事は「リング署名」を別のもので例え、理解を重視した記事になっています。難解な数式のリング署名の説明は省いています。
Moneroの匿名性「リング書名」の仕組み
Moneroはリング署名という匿名性の仕組みです。
例えば、一般的な仮想通貨はAからBに送ったというように誰から誰に送ったのか確認することができます。
ビットコインなどはまさにこのパターンです。
https://getmonero.org/index.htmlより
一方、Moneroはどうなっているのでしょうか?
Moneroは、公式ページに記載されているようにリングシグネチャ、リング機密トランザクション等が使用されていることにあります。
これをリング署名といいますがどういうことでしょうか?
Moneroは公開鍵と秘密鍵を円状でミックスして署名しています。
複数人で一時的な送信アドレスを発行し、署名自体も複数名の秘密鍵を組み合わせて署名されます。
つまり以下のような形になっています。
つまり、複数人の鍵を集めることで、その取引がどの鍵を使ってやり取りがされたのかわからず匿名性が保たれるということです。
AからBのように1人だけなら誰から誰に送ったのかわかりますが、複数人を集めて円状という同じ状況に置くことで誰から誰に送ったのかわからないようになっています。
上図はモネロのリング署名のイメージです。
ビットコインの取引ならA⇒Bという取引と記載されるものが、リング署名になるとC~E等が複数加わるためAからBに送ったということがわかりにくくなります。

モネロのリング署名はダミーのアドレスがあることが特徴です。
これにより振込者すら、どのアドレスに振り込まれたのかわからず、受取側も誰から振り込まれたのか確認することができません。
よって、誰から誰に送ったのかわからず、匿名性が保たれているわけです。
リング署名は、江戸時代に一揆などで用いられた円環状の署名形式である傘連判状(からかされんぱんじょう)と似ています。
一揆において内部の上下関係はなく、全員が同じ立場あると表する為に用いられた一方、首謀者(多くは名主)を隠すために用いられていました。
どうしてこのような形が採用されたのかといいますと、1741年の「御定書百箇条(おさだめがきひゃっかじょう) 」に一揆の首謀者は死刑という非常に重い罰が与えられるようになったことがキッカケです。
だからこそ首謀者がわからないように円形にしたのです。
結局、傘連判状の首謀者の特定が難しかったため、著名した全員が死刑になったケースもあったようですが、リング状の署名の仕組みは人間の知恵から生まれました。
元々は、江戸時代よりも前の古来中国で誕生したもののようですね。
Moneroの送り先を見つけることは、この傘連判状から一揆の首謀者を探すようなもの。
複数人のダミーを置くことで高い匿名性が保たれているというわけです。
本日のまとめ
bitcoinなどの仮想通貨:A ⇒ B
AからBに送ったことがわかります。
Monero:A~E ⇒ A~E
送り先も、送り主も複数人によるリング署名のためわかりません。
よって、匿名性が保たれます。
これは円環状の署名形式である傘連判状(からかされんぱんじょう)と似ています。
Dash、Zcashの匿名性
今回はMoneroの匿名性の仕組みについて軽く振れましたが、匿名通貨には様々な匿名の仕組みがあります。
同じ匿名通貨であるDashはコインミキシング、Zcashはゼロ知識証明という匿名性の仕組みを持っています。匿名性の強度はZcashが強いです。
興味があれば下記事をご覧下さい。

↑Dashのコインミキシングについて
中央でシャッフルされるので誰から誰に送ったのかわからない仕組みになっています。

↑Zcashのゼロ知識証明について
情報をもらさずにその 情報を知っていることを証明できる非常に強度の強い匿名性の仕組みです。
詳しくは上記事で。
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