かにたまです。
本日は、記事作成段階(2019年5月30日)で時価総額21位のMaker(メーカー/MKR)について。
Maker(メーカー/MKR)とは、どのような仮想通貨なのか?その特徴や価格チャート、将来性などについて記事にしていきます。
良かったらご覧ください。
仮想通貨メーカー(Maker)とは?
通貨名:MakerDAO(メーカーダオ)
通貨コード:MKR
公開日:2017年11月
発行上限:1,000,000 枚(約100万枚固定)
CEO:Rune Christensen
公式サイト:https://makerdao.com/ja/
ホワイトペーパー:https://makerdao.com/ja/whitepaper#overview-of-the-dai-stablecoin-system
Maker(メイカー)は、正式には「MakerDAO」と呼ばれている仮想通貨で2017年11月に生まれました。
イーサリアムのトークンである「ERC20トークン」です。
現状の日本円や米ドルなどの法定通貨が通貨として使われる理由として、比較的、価格が安定していることにあります。
よって、通貨として安心され、使われているわけです。
しかし、ビットコインなどの仮想通貨はどうでしょうか?
ご存知のように価格が安定していません。
5月の始めには60万円だったビットコインが1ヶ月もたたない現状で100万近くまで変動しているわけです。
上がっているときは良いのですが、特に下がっている(暴落)時には企業等が大赤字になったり、撤退したりと何かと不都合があります。
そういうわけで仮想通貨を通貨として使えるように価格を安定させるものが生まれています。

価格を安定させる通貨としてTether(テザー)を代表とするステーブルコインがあります。
そのステーブルコインとの違いは、Maker自体の価格は安定しないという点です。
Makerは、DAIという透明性のあるステーブルコインを様々な方法でサポートするためにつくられた価格が変動する仮想通貨です。

Makerは米ドルに連動した価格の安定を目指したステーブルコインであるDAIが密接に関わっています。
仮想通貨メーカー(Maker)の特徴
投票権
提案等に対する投票権をメーカー保有者が持っています。
これによりシステム全体のガバナンス(組織などをまとめあげるために方針やルールなどを決めて、
こちらのように投票にメーカー(MKR)が利用されています。
中央に頼らず、Maker所有者で自立的に運営できるように投票でガバナンスが決定していきます。
DAI
ホワイトペーパーは「こちら」※日本語で読めます
Makerは、DAIを導入することで、仮想通貨の価格の不安定さを解決しています。
DAIとは、ステーブルコインであり、法定通貨の価値を安定させる仮想通貨です。
そして、だれもDaiの中核となる仕組みを変更することはできず、安定した価値の保存場所として使用するのに理想的な通貨を目指しています。
Makerはビットコインと同様にブロックチェーンで有効性が認められています。
しかし、ビットコインと異なる点としてDAIは米ドルの価値に連動するという点です。

米ドルの価値に連動するものとしてステーブルコインのテザーが挙げられます。
しかし、テザー問題が起こっているように、多くの米ドルのステーブルコインは十分なドルが確保されているのか外部にわからず、不透明なものになっています。
つまり、特定の会社がステーブルコインを発行しており、中の状況が見えない中央集権的になっているからです。
一方、DAIは他の資産に十分に担保されており、市場の参加者は自分の持分が価値を維持できると確信することができます。
割合的には100万ETH(2018年11月段階)と全ETHの1%以上がMakerDAOのスマートコントラクト上にロックアップされており、十分な状態になっています。
なぜ確信できるのかというと、ユーザー自身が担保を提供することでDAIが発行され、その担保状況をブロックチェーン上で誰でも確認できるためです。
DAIは、資産を担保として発行され、誰でも担保状況を確認できるために透明性の強いものになっています。
DAIは、完全な透明性を保つ信頼性の高い自己規制メカニズムを備え、ブロックチェーンを使い、非中央集権的に価値を維持します。
実際、各Daiの裏付けとなる担保の情報は誰でも閲覧できます(安全プロファイルを含む)。
そのため、ユーザーは安定した価値を活用することができるのです。
DAIはユーザーがCDP(Collateralized Debt Position)と呼ばれる債務担保ポジションを取ると自動的に発行されます。
つまり、イーサリアムのスマートコントラクト上に様々な種類の担保を預ける(現状はETHのみ)と担保資産分のDAIが自動的に発行されるわけです。
借り手が債務を返す際、つまりDAIを買い戻す際に小額のStability Fee(スタビリフィー)という安定化のための手数料を支払います。
その後、担保が開放され、それに相当するDAIが焼却されます。
この手数料は、7.5%ほどですが、今後10%以上に引き上げられる予定です。
現状では1ドルを下回ることが多いことから、手数料を上げてDAIの流通量を減らす意図があります。

DAIは会社の発行ではなく、ユーザーの担保によって発行される誰でも確認できるに透明性が高いステーブルコインです。もっとも、その担保が現在ETHのみという価格変動の激しい不安定なものになっているために流動性はTetherに比べるとあまりありません。
CDP
上述にて、借り手がCDP(Collateralized Debt Position)に担保を入れたときにDAIが発行される流れについて、その債務の支払いにDAIが焼却され、担保が開放されるということは記載しました。
しかし「DAIが担保によって発行される」方法こそが、DAIの価値を米ドルに連動させる理由となりますが、これはどのように機能するのでしょうか?
例えば、DAIがドルより上昇した場合、ユーザーは多くのDAIを発行する動機が生まれ、ドルと同じ価値になるまでDAIは下がります。
なぜ動機が生まれるのかというと価格差が生じるからです。

アービトラージという言葉があるように価格差が出来ると、人間には売ったり買ったりする動機が生まれます。
DAIがドルより上昇した場合、DAIを発行すると儲かるので発行するわけですが、そのぶんDAIの価値が薄まるのでドルと同じ価値になるまでDAIは下がるというわけです。
逆にDAIがドルより下落した場合、ユーザーは債務を割引価格で支払ってDAIを焼却する動機が生まれ、DAIはドルと同じ価値になるまで上がるというわけです。
これらはDAIとドルが同じ価格になるまで続きます。
CDPには十分に担保がされ続けると予測されていますが、誤った行為や予測不能な出来事によってCDPの担保が失われた場合には、メーカーが新たに発行され、その損失をカバーします。
そうすることでDAI保有者はその価値を信頼することができます。
難しい説明なので例を挙げてみます。
例)
A君はお金が足りません。
あと200,000ドルほどがどうしても必要です。
そこで、CDPという消費者金融に200,000ドルを借りにいきました。
CDPでは利用料としてMakerという仮想通貨が使われ、購入する必要があります。
すると、CDPはA君の所持している土地を担保とする代わりに200,000ドル分のDAIを発行しました。
このDAIの発行枚数は、DAIの価格が米ドルと安定するためにMakerのレートにより変わります。
DAIは米ドルと連動しているために、A君はCDPから発行されたDAIを200,000ドルに代えて事なきを得ました。
CDPは200,000ドルの返却がなくても土地を担保として預かっているので、DAIの返却がなければ200,000ドル分の土地をもらうことができます。
この状況はブロックチェーンを使って誰でも状況を確認できるために信頼のある担保となっています。
その後、A君は土地を返して欲しいと思い、CDPで200,000ドル分のDAIを買い戻し、土地を返してもらうことができました。
また、この際の土地の返却には手数料としてMakerが必要になります。

CDPはこれをスマートコントラクトで自立的に行います。

ブロックチェーンに記録された担保状況を誰でも確認できるのが信頼につながり、それが強みになっています。
仮想通貨メーカー(Maker)の将来性について
ブロックチェーンで担保を確認できる信頼性の高い通貨であることは間違いありません。
しかし、現状の担保がETHのみとDAIをステーブルコインとして浸透させるのには不安定です。
ただ、今後の担保の種類が増えると、一気に化ける可能性があります。
Makerがより大きくなるにはDAIやETHの発展は欠かせません。
We will soon begin accepting inbound transfers of EOS, MKR, and REP on Coinbase Pro. We will accept deposits for at least 12 hours prior to enabling trading. https://t.co/pUlU8fppAd
— Coinbase Pro (@CoinbasePro) April 8, 2019
ただ、既に米国の大手仮想通貨取引所であるコインベースProにも上場している非常に期待値の高い通貨ではあります。
価値の担保がETHのみの現状
価値の担保とブロックチェーンによる透明性により信頼性を保つというMakerですが、現時点(2019年4月)における裏付け資産はETH(イーサリアム)のみです。
ご存知のようにETHは価格変動が激しく、現状では安定した裏づけの資産とはなり得ません。
上がっているときは良いかもしれませんが、2018年度のように90%下がることもあるのが現状のETHです。
現時点(2019年5月30日)のDAIとTeher24時間取引量(上図赤枠)を比較しても、出来高の差は360倍以上とテザー(Tether)が圧倒しています。
Daiの担保がETHのみという不安定なものですから、まずこの種類が安定したものを加えることができないことには疑惑のあるテザーに比べても今度も利用されないでしょう。
ブロックチェーンを使い、担保状況が誰でも確認できるなどの透明性は高いのですが、価値の担保が価格変動の激しいETHのみである現状ではテザー以下の時価総額と出来高は妥当かと思われます。
しかし、逆を返すとそれだけ伸びしろがあるわけですから、将来的に、ETH以外にも土地や権利書など様々なものを担保にできるようになって、はじめてテザーを超えてくると思われます。
ETH系通貨とDAI次第
メーカーは、ステーブルコインであるDAIが利用されればされるほど価値が上昇していきます。
よって、Makerがより大きくなるには、DAIの浸透は欠かせません。
またMakerは、ETHのスマートコントラクトの使用、既にカイバーネットワーク(Kyber Network)上で取引されていることから、将来はDAIはETH系の仮想通貨のステーブルコインとして浸透する可能性もあります。


カイバーネットワークは、オミセゴーと共にETHの生みの親であるヴィタリック・ブテリンがアドバイザーをつとめている仮想通貨です。
仮想通貨メーカー(Maker)の価格チャート
2018年度は大暴落の年にも関わらず、価格自体はあまり落ちておらず、高い時価総額となっています。
テザー問題も起こったことから透明性が評価されつつある印象ですね。
まだまだ出来高も少ないものの、まだ新しい仮想通貨ですから、これからですね。
仮想通貨メーカーの最新チャートは「こちら」
仮想通貨メーカー(Maker)購入のおススメ取引所
Makerを取り扱っている仮想通貨一覧は「こちら」で確認できます。
日本の取引所では扱っていませんので日本円では購入できません。
現状では、大手取引所のOKEXあたりの取引所がおススメです。
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