日銀が3ヶ月毎にごとに発表している資金循環統計によりますと、ことし6月末の時点で、個人が保有している預金や株式、投資信託などの金融資産の残高は合わせて1831兆6564億円と1810兆円(去年12月末)を上回り過去最高を記録しました。
日本人の個人金融資産の総額は年々増加

このうち「現金・預金」は、前の年の同じ時期より2.5%多い944兆円と過去最高を更新し、全体の51.5%を占めています。
これについて日銀は、所得の増加に加えて歴史的な低金利の中、個人が資金をひとまず普通預金などに置いたままにしている傾向が強いことが背景にあるとしています。
また株価の上昇傾向を反映して「株式など」は前の年の同じ時期より22.4%増えて190兆円、「投資信託」も15.6%増加して100兆円となっています。
一方、日本の国債の保有者別の残高では、大規模な金融緩和策で大量の国債を買い入れている日銀の保有残高が、前の年の同じ時期より9.8%増えて436兆円と過去最高を更新していて、日銀が保有する国債は全体の40.2%と、初めて40%を上回りました。
資金循環統計の結果を見て
これはトマピケティというフランスの経済学者が編み出した公式です。
r(資本収益率)は、株などの運用で得られる割合のことです。年平均約4~5%ほどです。
g(経済成長率)は、働くことで得られるお金の割合のことで年平均1~2%ほどです。
つまりこれは、お金を稼ぐ視点で言えば、
株などの運用で稼げるお金 >働いて稼げるお金 ということになります。
すなわち、儲かるのは、働いている社員ではなく働かない株主です。
このr(資本収益率)により、株価の上昇傾向もありますが、「株式など」は前の年の同じ時期より22.4%増えて190兆円、「投資信託」も15.6%増加して100兆円も上昇しています。

これだけ個人資産が増えていながら、特に若年層を中心に貧困層が増えていますので、やはり、日本人の貧富の差が大きくなっていることがわかります。
また、日銀が保有する国債は全体の40.2%と、初めて40%を上回ったそうですが、国債を発行しているのは財務省ですね。
これをお札を発行している日銀が買い取っているということです。
「国の国債を日本円を刷っている日本銀行が買い取って大丈夫なの?」と思うかもしれません。
麻生大臣の説明を聞くと、家族から借金しているようなものなので、他(国)人から借りたギリシャのように国の財政は破たんしないということです。
しかし、どうもピンとこないんですよね。
と言いますのも、結局、国が破たんしないには、僕らが国を信頼して国債を買い続けるしかないと思うのですが、日本国民が国債を買わないので、仕方なく日銀が国債を買うしかない状況、すなわち日銀が保有する国債が増えています。
現在の日本国民は「現金・預金は、前の年の同じ時期より2.5%多い944兆円と過去最高を更新した」という状態です。
つまり、お金があるのに国が発行している国債を買わずに現金・預金を持っているわけです。
この結果から日本国民の国への信頼が落ちていることがわかります。

考えてみれば何となくわかる気もします。
といいますのは、日本の借金は多いものの対外純資産額は世界一です。
よって純資産を切り崩せば借金は返せるはずなのですが、それをせず国の借金を出して消費税増税などを繰り返し国民の負担が増えているわけです

国の借金は見せかけだとわかっている方は、国民は国債を買わずに現金を貯めているわけですね。
実際、日本国債の格付けを見ると年々落ちています。
優良柄でない日本の国債を国民や日銀以外の銀行が買い続けると思えません。
日本の国債を日銀が買い続ける、麻生さんの説明で言うと、親父の借金を母親だけが買い続けるのも限界がくるでしょう。
日銀による国債の引き受けの割合が増えるという、正にヘリコプターマネー化している現状では日本円だけを持っているのは危ないなと感じています。

本日は日本で金持ちが増えている話をしましたが、日本では年々格差が広がっています。
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