かにたまです。
ビットコインの取引記録を見ると、文字列が並んでいます。この文字列によりプライバシーが守られており、個人名なども記載されていません。
しかし、最近ではよりプライバシーを重視した匿名性がビットコインにも求められています。今日は、ビットコインの匿名性について記事にしてみました。
良かったらご覧下さい。
匿名通貨って?
匿名通貨とは、その仮想通貨の取引記録を匿名化した形で取引を行うことが可能な仮想通貨のことです。一般的には、匿名性暗号通貨と呼ばれています。
仕組みに関しては以下で説明させて頂きます。
匿名通貨の需要は高く、新たな匿名通貨も台頭
ビットコイン等の多くの暗号通貨は不完全な匿名な状態ではありません。
よって、匿名通貨に大きな需要があります。
匿名通貨と言いますと、日本ではコインチェックさんで取り扱われている(2018年5月段階)DASH、Monero、Zcashが有名です。

しかし、最近ではVerge、PIVX等の新たな匿名通貨が急騰、台頭してきています。
他にも草コインで急速に支持を集め、力をつけている多数あります。
ビットコインも匿名性はあるが追跡できるデメリットも
ビットコインでも個人名を公開せずに取引しています。
よって、ビットコインも匿名性がないというわけではありません。しかし、ビットコイン等の多くの暗号通貨は完全に匿名な状態ではありません。
では、ビットコインの匿名性はどうして不完全なのでしょうか?
ビットコインの取引記録は誰でも確認できる仕組みになっています。(https://blockchain.info/などで確認できます。)
(上のアドレスは適当なトランザクション(取引記録)を選んでいます)
1G47mSr3oANXMafVrR8UC4pzV7FEAzo3r9のような文字列は、ビットコインアドレスです。
実際に取引記録を見てみると、アドレス、送金量、取引時間等が確認できます。
その一方で、例えば「僕からジハンさんに送った」というように誰から誰に送ったのか等の個人の詳細情報がわかりません。これがビットコインの匿名性です。
しかし、現在、このビットコインの匿名性では不十分だ!という声も数多くあります。
では、一体どこに問題があるのでしょうか?・・・少し考えてみてください。
匿名性は大きくわけて3段階
仮想通貨の匿名性は大きく分けて3つに区分されます。
・ビットコインのような匿名性 :普通
・強度の高い匿名性:高級
・最高レベルの匿名性:最高級
高級、最高級の匿名性を持つ仮想通貨を「匿名通貨」と呼んでいます。
ビットコインの匿名性
ビットコインの匿名性は普通です。
このビットコインの不完全な匿名性が問題になっているのは、全ての取引記録が書かれてあり追跡出来ることです。
つまり、仮にビットコインアドレスがあなたのものだとわかると、関連する取引記録、および資産も全て見つけ出すことができます。
誰でも追跡できて誰でも確認できるメリットがある反面、逆に追跡されてプライバシーが知られてしまう恐れがあることがデメリットになっています。
ビットコインは、よくマネロン(マネーロンダリング)に使われると言いますが、実際はマネーロンダリングは難しいです。
なぜなら、最初にビットコインを買うために多くの方が仮想通貨の取引所にアカウントを開設するからです。
日本の仮想通貨取引所の多くは、アカウント開設時に本人確認を求められますよね。
よって、取引所のたった一つのビットコインアドレスを本人と紐付けておけば、その後、永久に追跡が可能になり、ブロックチェーンの公開帳簿を辿っていくことが可能です。
強度の高い匿名性
プライバシーを守るためにつくられたのは、仮想通貨のMoneroやDashのような匿名性を高くした仮想通貨です。
これらの仮想通貨は取引記録がわかりません。つまり、ビットコインでは知られてしまう恐れのあるプライバシーが守られやすいということです。
仕組みに関する一例として、仮想通貨Dashを例にとってみましょう。
DASHの場合、上の図のように取引時に中央の管理ノードを経由します。
ここでは、コインミキシングと呼ばれる手法が使われています。コインミキシングとは、通貨の送受信の際に一度中央にある「管理ノード」を経由して、複数のデータをシャッフル(ごちゃごちゃに)するというものです。
Bitcoinの場合、A→B、B→Cと改ざんできない記録を追跡していけば良いのですが、Dashは上図のように中央の管理ノードのデータのシャッフルによりデータの送り先がわからなくなります。
よって、仮にアドレスの持ち主が誰であるかわかっても、その取引データを全て知る事はできない仕組みになっています。
最高レベルの匿名性
最高レベルの匿名性にZcashのような仮想通貨があります。
Zcashのような最高級の匿名性を持つ仮想通貨は、秘密鍵(※)がないと全ての取引データも見ることができません。
(※)秘密鍵と公開鍵
公開鍵・・・自分のアドレスを作るもとになる鍵。他人に知られても良い鍵
秘密鍵・・・仮想通貨の所有を証明する鍵。他人に知られてはいけない鍵。
公開鍵は南京錠、秘密鍵はキーだと思って下さい。
公開鍵は無くしても(とられても)キーがないので中身を開けることはできませんが、秘密鍵は取られると公開鍵を開けることができ、悪用される危険性があります。
秘密鍵は基本的に本人が持っていますので、外部ではどうにもならずプライバシーが守られるわけです。
Zcashは、「ゼロ知識証明」という情報の内容を提供しないで信実であるという証明ができてしまう技術があります。
具体例として、例えば、ある家にハートがあり、その家には特定のカギを使わないと入れないものとします。
しかし、僕(かにたま)が家の中にあるはずのハートを持っていれば特定のカギを使ったことが証明できます。なぜなら家はその特定カギでしか入れないからです。
ですので、実際にカギを使っている事がわからなくても中に入れたことを証明できてしまうのです。
ゼロ知識証明で情報をもらさずにその 情報を知っていることを証明できます。
上の例でいうと、家にいつ入ったということを知られずに、カギを開けて家に入ったことが証明できるというわけです。
本日のまとめ
仮想通貨には大きくわけて3段階の匿名性の強さがあります。
●普通の匿名性
誰の取引記録かはわからないものの、万が一誰のアドレスかを知られてしまうと、誰もが記録を見ることができ、プライバシーが筒抜けになる恐れがあります。
例)Bitcoin、Litecoin等多数
●強い匿名性
アドレスの持ち主がわかっても、その取引データの全てを知る事はできません。
例)Dash、Moneroなど
●最高レベルの匿名性
秘密鍵がないと全ての取引データも見ることができません。
例)Zcashなど
匿名性が高い→ プライバシーが守れる
匿名性が低い→ オープンでマネーロンダリング等の不正が防止できる
最後に
このように匿名性には、一長一短があります。
調べれば殆どの事がわかるインターネット時代。
例えば、住所がわかればグーグルマップ等で家の外観もわかりますし、ネットのIPである程度の住まいや、何処にいるのかさえもわかりますよね。
ゆえに、知られた以上はプライバシーもへったくりもない気もします。
しかし、悪意を持って拡散されたり、ブロックチェーンで一生記録が残ってストーカーに追跡されてしまう等を考えると、全てをオープンにすることは難しいのかもしれない、とも感じています。
個人的にはストーカー行為は罰して、取引記録はオープンにするビットコインのような匿名方式が良いなと思っていますが、あなたは、どう思われますか?
先日、国内では金融庁が「匿名性が高く、マネーロンダリング(資金洗浄)に使われやすい仮想通貨の取り扱いも原則認めない」としましたが、世界での匿名通貨の扱いが今後、どうなっていくのか見ものです。
コメント