先日、国税庁のタックスアンサーでビットコインを使用することによる利益が生じた場合の課税についての発表がありました。
仮想通貨は「雑所得」となりました。
では実際に仮想通貨の利益への税率はどのようになっているのでしょうか?
20万以下の利益であれば控除される
仮想通貨の税金の問題ですが、利益が出ている方のみが対象になります。
また、その利益も20万円以下であれば控除(なくなる)されます。
今年、ガチホの人はまだ考えなくても大丈夫ですが、このような国の決まりができたことはご理解ください。
ビットコインなど仮想通貨の利益は「雑所得」
ビットコインは、物品の購入等に使用できるものですが、このビットコインを使用することで生じた利益は、所得税の課税対象となります。このビットコインを使用することにより生じる損益(邦貨又は外貨との相対的な関係により認識される損益)は、事業所得等の各種所得の基因となる行為に付随して生じる場合を除き、原則として、雑所得に区分されます。(所法27、35、36)
No.1524 ビットコインを使用することにより利益が生じた場合の課税関係|国税庁
このたび仮想通貨の利益は、「雑所得」であることが確定しました。
「雑所得」とは?
年金、株やFXの利益、非営業用貸し金の利子、原稿料や印税、講演料、アフィリエイト収入、インターネットオークションなどの売却収入などを指します。
今回、これに仮想通貨の利益も加わりました。
マイニングで得た利益も税金がかかるの?
マイニングの利益でも同様に税金がかかることになります。
ネムのハーベストなどもかかかることになります。
自分のまわりのマイナーたちはそれで申告していますよ
その日の価格というものを一定の時刻に定めないといけませんが(例えば日足の終値を使うならそれで統一する等)— ああああ (@aaaa__aaaa_aaaa) 2017年9月7日
しかし、どうやってマイニングの確定申告するのだろう?マイニング日の価格を計算して算出するのだろうか?
ビットコインの買い物で税金はかかるの?
かかります。ビットコインを使用することにより生じる損益(邦貨又は外貨との相対的な関係により認識される損益)との記載があります。
ついにビットコインでフェラーリが購入できるニュースがありましたが、これらをビットコインで買っても課税対象になります。
ビットコイン→仮想通貨(トークン)などの交換はどうなるの?
利益の出ている通貨の売却は税金の対象になります。
ビットコイン→アルトコインのトレードで得た含み益も対象になるようです。
円ではなくBTC建てでビットコインが増えた場合などがこれにあたります。
「ビットコインを使用することで生じた利益は、所得税の課税対象」と記載がありますのでビットコイン等のBTC建てで課税対象になる可能性が高いです。
アルトコインも同様かと思われます。うやむやな点があるので、断定はできませんが、今回はもし課税されることを前提に考えます。
Zaifトークンを例に上げます。上はZaif/BTCです。0.00000051、0.00000055時に購入したものを0.00000102で全て売っているとします。
この時の含み益は、2回の購入額で0.00000051、0.00000047の含み益がでていますので、売却時のBTCの価格(0.00000102)とZaifトークンの数量(0.00000051、0.00000055時の購入数量)をかけたものが利益になります。
0.00000051×売却時8/20のビットコインの価格×0.00000051で購入したトークン数+0.00000047×売却時8/20のビットコインの価格×0.00000047で購入したトークン数=Zaifトークンで得た利益
こんなのを繰り返して計算してくので、正直、とても面倒臭いです。。。
国税庁のタックスアンサーで「邦貨又は外貨との相対的な関係により認識される損益」が課税対象であります。邦貨とは日本の貨幣で、外貨は貨幣のお金のことです。正直、アルトコイン同士の交換の利益はどうなるかわかりません。
ここは国税庁待ちです。正直、売買しづらいので早めに発表して欲しいところです。
追記:アルトコインからアルトコインの売買も課税対象になりました。
https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/shotoku/shinkoku/171127/01.pdf
↑仮想通貨に関する所得の計算方法について(国税庁)
仮想通貨の雑所得の税率は?
所得税+住民税(10%)=仮想通貨で支払う税金になります。
ちなみに課税される所得税は仮想通貨で得た利益を日本円に換算したものになります。
課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
195万円以下 | 5% | 0円 |
195万円を超え 330万円以下 | 10% | 97,500円 |
330万円を超え 695万円以下 | 20% | 427,500円 |
695万円を超え 900万円以下 | 23% | 636,000円 |
900万円を超え 1,800万円以下 | 33% | 1,536,000円 |
1,800万円を超え4,000万円以下 | 40% | 2,796,000円 |
4,000万円超 | 45% | 4,796,000円 |
(注) 例えば仮想通貨で得た利益が1000万円の場合には、求める税額は次のようになります。上の表だと所得税の税率は33%になります。
1000万×0.33(所得税)-153.6万(控除分)+1000万×0.1(住民税)=276.4万円
仮想通貨1000万円の利益で、276万円強は税金でとられることになります。
仮想通貨の税金はFXや株に比べて大きい
特に額が大きくなればなるほど、その差は顕著になります。では仮に利益が1億円出た時の場合を考えて見ましょう。
利益が1億出た時のFXや株との税金の違い
FX・株の利益
株・FXの利益は「先物取引に係る雑所得等」として申告分離課税という区分になります。つまり、どれだけ儲かっても税率は20.315%になります。つまり、所得税(15%)+住民税(5%)+復興特別所得税(0.315%)=20.315%になります。
ゆえに株の利益で残るのは7968.5万円になります。
仮想通貨の場合の利益
一方、ビットコインなどの仮想通貨の利益は、所得税(45%)-479.6万(控除)+住民税(10%)=税金になります。
ゆえに仮想通貨の利益で残るのは4979.6万円です。
このように同じ1億の利益でも、手元に残る額は2988.9万も違います。この計算からもわかりますが、節税のために大口さんで利益が出ている人ほど毎年少しずつ利確してくるでしょうね。
FXの税率が下がったのも10年ほどかかりました
このように現在の株式とは違い、法で認められたとはいえ、1年目の仮想通貨の税金は非常に大きいです。
ここが変わった!!FXの税金2012年 | FXの税金について – FX初心者の外為入門
FXが申告分離課税で20%固定になったのも、2012年と10年以上かかっています。もともとFXも今回のビットコインのような高い税金がかかっていました。仮想通貨の税率が下がるのはFXのようにある程度は時間がかかると思っています。このような成長を続けていれば逆にもっと上がる可能性もあります。どちらにせよ、国次第です。
ただし、現在の仮想通貨は雑所得です。10年持っても法律が変わらなければ税金は減りませんので、今のところは長期保有のメリットはありません。
ガチホ勢も大晦日前には税率をチェックしよう
税金の計算は1年で最終日が12月31日の大晦日です。
ですので、この前にその年の前後の税率を確認されることをお勧めします。FXのようにいつ法律が変わるかわかりません。
特に額が大きい方は、今後、増税される可能性がなくもありません。
そもそも、今の日本の仮想通貨にかかる税率は大口が不利ですから、年末や年初に一定額を利確する人が増えるでしょう。
ある年月に一気に利確するよりも、毎年少ない額を利確して税金を支払うほうが割安です。そして、今後も今年のような収益になるとは限りませんからね。
とはいえ、毎年お金を刷りまくっている日本円と、枚数が最高でも2100万枚で時価総額7兆で伸びしろのあるビットコイン、今後どちらが伸びるかを考えるとビットコインだと僕は思っています。
僕のように来年も伸びると感じているなら価値の薄まっている円への利確は最低限で良いと思います。
最後に
仮想通貨はマネロンの温床と言われていますが、法廷通貨もマネロンの温床です。
パナマ文書でその一部が明るみになりましたが、世の中の現在のお金であるお札のマネロンの摘発率は1%未満です
ビットコインはどんなに小さなやり取りでもブロックチェーン上で記録が残りますので、追従されると誤魔化せません。
(ブロックチェーンのない通貨や匿名通貨はわかりません)ですので、これはどうなのかな?と思うよくわからないことも申告した方が、支払った税金が多すぎた場合は戻ってくると思いますので申告漏れよりは良いです。

正直、仮想通貨が申告分離課税ではなく雑所得になり、高い税金を払うことになりますが、コインチェック銘柄の平均で8ヶ月で26倍以上も伸びているぶっとんだ成長をみせていますので、仕方ないといったら仕方ないのかもしれません。(仮想通貨はゼロになるリスクもあります!)
これから仮想通貨がどのような伸びをみせるのか楽しみです。

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