かにたまです。
2018年1月、ハッキング被害にあった仮想通貨取引所Coincheck。
仮想通貨のみなし業、つまり、正式に金融庁に取引所としての登録申請中で4カ月が経過しても登録できていませんでした。
その背景として、匿名性の高い仮想通貨が問題に挙げられています。
そこで、本日は匿名通貨について思うことを書いていきたいと思います。
コインチェックがみなし業であったのは匿名通貨が原因?
【金融庁会見:仮想通貨交換業者の行政対応】実況(14)
Q.コインチェックの登録がまだ下りてなかった要因については
A.個別の審査情報については申し上げられません。ただ、一般論として、マネロン・分別管理の状況・システム管理体制の状況などから判断。— bitpress(ビットプレス) (@bitpress) 2018年1月29日
コインチェックさんが仮想通貨事業のみなし業であるのは、DASH、Monero、Zcashなどの匿名通貨を扱っているからと前々から言われていました。
実際、本日の金融庁の会見を見ると、匿名通貨に対しては、まだ対応を決めかねているんだろうなと感じることができました。

匿名通貨が日本で認めにくい問題点
匿名通貨が日本で浸透させずらい原因としての1番大きな問題点は、取引記録が残らずに追跡できないため、マネーロンダリングなど悪用されると思われているからでしょう。
例えば、コインチェックさんで扱っている匿名通貨のDASHを例に挙げてみます。
DASHの場合、上の図のように取り引き時には管理ノードがあります。
そして、コインミキシングと呼ばれる手法が使われています。
つまり、誰から誰におくったのか?どれくらいの量を送ったのか?等がわからなくなるので、マネーロンダリング(脱税など)に使われる恐れがあります。
現状での匿名通貨は、主にダークマーケット(※)で利用されていることからも日本が正式に匿名通貨を認めることは難しいのです。
(※)ダークマーケットとは?
インターネット上で到達可能なIPアドレスのうち、特定のホストが割り当てられていないアドレス空間、つまり、ネット上の空家のような所で様々な物が売買されている闇のマーケットです。そこでは、麻薬やミサイルなど国によって違法なものも販売されているようです。もともとビットコインなどもダークマーケットで使われていたといいます。
匿名通貨の利点
では、なぜマネーロンダリングや、日本で違法である麻薬などの売買で使われている匿名通貨を禁止できないのかといいますと、多くの海外取引所では禁止されておらず普通に売買されているからです。
先ほどご紹介した匿名通貨DASHは、現在、時価総額12位までの規模になっています。
また、匿名通貨は利点があります。
それは、匿名という名の通りプライバシーが守られる点にあります。
例えば、ビットコインなどは全ての取引記録が残ります。それゆえに、もし、あなたのアドレスが知られてしまうと、あなたの資産や、どこで何を購入したかなど全て正確に知られてしまう可能性があります。
簡単に言いますと、匿名性がないとネット上でストーカーにあい、被害を受ける可能性があるというわけです。
現状のビットコインの仕組みだと、全てが開示されており、記録が残ります。これを誰でも確認でき知ることができます。例えば、仮想通貨で当たり前のように給料が支払われる時代が来たら、その額なども知られてしまう恐れがあるわけです。しかも誰にでもです。
しかし、匿名通貨、仮にDASHなら取引記録はシャッフルされるので、知ることができずにプライバシーが守れるわけです。
匿名性のない仮想通貨にも匿名性を取り入れる動きがあります
Although @fluffypony was kidding here, I think it would be good for Litecoin and Monero (2 of the top non-scam coins 😄) to work together. A while back, I proposed to him that we work on making it easy for people to do on-chain atomic swaps of LTC and XMR in a decentralized way. https://t.co/idDn7Dmzf7
— Charlie Lee [LTC] (@SatoshiLite) 2018年1月27日
こちらはライトコインの生みの親であるチャーリー・リーさんのツイートです。
これは、ライトコインとモネロとのアトミックスワップ(交換)を計画。実質的にライトコインに匿名性レイヤーの追加があるという可能性を述べています。
つまり、ライトコインに匿名性を取り入れる動きがあります。もし、取り入れた場合、将来的にはビットコインにも匿名性が追加される可能性が高いです。
Needs moar linkable ring signatures or ZKPs. Also, public chain integration would be nice.
We need to take online voting privacy and verifiability seriously!
— Vitalik Buterin (@VitalikButerin) 2017年12月9日
またETHの生みの親のブテリンさんも匿名性の重要性を感じています。
金融庁は匿名仮想通貨の対応を発表を!
匿名通貨も変わりつつあります。
例えば、Vergeという匿名通貨はレイスプロコトルというものが実装されています。
レイスプロコトルとは、非常に画期的な技術で取引のデータを公開か非公開かを選択することが出来ます。そして、これは、公開したとしても匿名性は保たれるというものです。状況に応じて公開できますので、国などからの要求があれば開示することも可能になり、マネロンにも対応できます。この公開機能等があるため、他の匿名通貨に比べるとVergeは規制されることはないだろうと考えています。
これでプライバシーも保ちつつ、取引記録を隠し続け不正をすることができなくなることが可能になっています。
しかし、現状の日本での匿名通貨に対する状況は、全てが取引記録が追えず、そもそもマネロンに使われることが前提のまるで仮想通貨のみなし業のような位置づけになっています。
あいまいな状況が続けば、匿名通貨の所持自体が不安な状況になるのも事実です。金融庁さんは、早いうちに匿名通貨への対応を発表すべきだと思っています。
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